【留学生教育研究会 対面・WEBハイブリッドシンポジウム】人口減少社会と外国人人材・高等教育の役割

▼ プログラム概要

名 称 留学生教育研究会 対面・WEBハイブリッドシンポジウム「人口減少社会と外国人人材・高等教育の役割」
日 時 2024年1月27日(土)13:15~16:30
形 式 会場&WEB併用ハイブリッド開催
会 場 アルカディア市ヶ谷(私学会館)
(東京都千代田区九段北4-2-25/JR・東京メトロ・都営新宿線「市ヶ谷駅」徒歩2分)
対 象 専門学校・大学・日本語教育機関・関連企業団体関係者・一般 他
内 容
◆ 本会の映像の視聴は コチラ(要パスワード)
◆ 本会の資料のダウンロードは コチラ(要パスワード)
  • 開会挨拶(13:20〜)
    長谷川惠一(一般社団法人外国人留学生高等教育協会 副代表理事、学校法人エール学園 総長)
  • 基調講演「外国人受け入れ新時代」(13:30〜)
    毛受敏浩(公益財団法人日本国際交流センター 執行理事)
  • シンポジウム「人口減少社会と外国人人材・高等教育の役割」
    吉岡知哉(独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)理事長、立教大学 元総長)
    佐々木聖子(公益財団法人入管協会 業務執行理事、入管庁 前長官)
    毛受敏浩(公益財団法人日本国際交流センター 執行理事)
    小林光俊(一般社団法人外国人留学生高等教育協会 代表理事)
    [進行]仙石祐(留学生教育学会 理事、信州大学グローバル化推進センター)
  • 閉会挨拶(16:10〜)
    岡本比呂志(一般社団法人外国人留学生高等教育協会 副代表理事、学校法人中央情報学園 理事長)
主 催 一般社団法人外国人留学生高等教育協会https://aheis.org/
共 催 留学生教育学会https://jaise.site/
一般社団法人国際人流振興協会https://ipesa.org/
後 援 一般社団法人日本私立大学連盟 日本私立大学協会 独立行政法人日本学生支援機構(JASSO) 公益財団法人日本国際教育支援協会 特定非営利活動法人JAFSA(国際教育交流協議会) 全国専修学校各種学校総連合会 公益社団法人北海道私立専修学校各種学校連合会 公益社団法人東京都専修学校各種学校協会 公益社団法人日本介護福祉士養成施設協会 公益社団法人全国調理師養成施設協会 公益財団法人日本数学検定協会 公益社団法人全国経理教育協会 公益社団法人全国珠算学校連盟 公益社団法人広島県専修学校各種学校連盟 公益財団法人日本漢字能力検定協会 一般社団法人岩手県専修学校各種学校連合会 一般社団法人宮城県専修学校各種学校連合会 一般社団法人新潟県専門学校協会 一般社団法人埼玉県専修学校各種学校協会 一般社団法人愛知県専修学校各種学校連合会 一般社団法人岡山県専修学校各種学校振興会 一般社団法人愛媛県専修学校各種学校連合会 一般社団法人福岡県専修学校各種学校協会 一般社団法人長崎県専修学校各種学校連合会 一般社団法人宮崎県専修学校各種学校連合会 一般社団法人日本ソーシャルワーク教育学校連盟 一般社団法人全国製菓衛生師養成施設協会 一般社団法人応用日本語教育協会 一般社団法人全国日本語教師養成協議会 一般社団法人外国人材活躍推進協議会 日本語教育情報プラットフォーム 日本語学校協同組合 一般社団法人東京都服飾学校協会 一般社団法人職業教育研究開発推進機構 一般社団法人全国外国語教育振興協会 一般社団法人全国進路キャリア就業支援機構 特定非営利活動法人日本語教育研究所 一般社団法人栃木県専修学校各種学校連動会 一般社団法人全国動物教育協会 他
問合せ 一般社団法人外国人留学生高等教育協会 事務局
〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-5-15-203
MAIL: info@aheis.org TEL: 03-6804-3889 FAX: 03-6455-5387

▼ 講演レポート

 令和6年(2024年)1月27日、アルカディア市ヶ谷 私学会館(東京都千代田区)において、一般社団法人外国人留学生高等教育協会(以下「外留協」)主催、留学生教育学会(JAISE)・一般社団法人国際人流振興協会(IPESA)共催、独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)・全国専修学校各種学校総連合会を含む40超の機関の後援により、留学生教育研究会ウェビナー「人口減少社会と外国人人材・高等教育の役割」が開催された。
 本会は、会場とオンラインのハイブリッド形式で行われ、基調講演とパネルディスカションを展開し、計60人超の専門学校・大学・日本語学校関係者等が参加・聴講した。

開会挨拶


外留協副代表理事 長谷川惠一氏

 各講演に先立ち、長谷川惠一氏(外留協副代表理事)開会挨拶を述べた。
 長谷川氏はそこで、「日本の少子化が進む中、外国人人材の活用は、政策面でも大変化を遂げようとしている。この変化が好い方向に進むように期待している」と語った後、本会当日に新聞等で報じられた「外国人労働者が初めて200万人を突破して過去最多に」というニュースに触れて「外国人労働者を巡るテーマのうち、これから特に注目すべきものは特定技能である。私見であるが、特定技能の2号は今後、高度専門職人材の範疇に入り、専門学校が育成すべき人材と同じレベルになる可能性があると推測している。専門学も新しい変化に対応してゆかねばならないのでないか」と問題提起した。

基調講演: 外国人受入れ新時代


公益財団法人日本国際交流センター
執行理事 毛受敏治氏

 基調講演では、毛受敏治氏(公益財団法人日本国際交流センター執行理事)「外国人受入れ新時代」と題して講演した。
 毛受氏はそこで、各種統計データから日本の少子高齢化が今後も避けられないこと、産業の外国人依存度がこの10年で約2.5倍に増加していること等を指摘した上で、日本で「移民」がタブー視される背景にも触れて「課題は多いが、外国人を受け入れないと我が国は立ち行かない。能力の高い外国人が日本を選んで活躍し、その刺戟や相乗効果によって日本の社会や企業の持続性が向上する「成功のシナリオ」を実現せねばならない」とし、「政府は外国人受入れ政策の変更を明確に発言すべき」と提言した他、「人口動態の予測変化に立った受入れ政策をゼロから再検討することが必要」「国民・企業・自治体の意識変革が必要」と訴えた。

シンポジウム: 人口減少社会と外国人人材・高等教育の役割


独立行政法人日本学生支援機構
理事長 吉岡知哉氏

公益財団法人入管協会 業務執行理事
入管庁 前長官 佐々木聖子氏

公益財団法人日本国際交流センター
執行理事 毛受敏治氏

一般社団法人外国人留学生高等教育協会
代表理事 小林光俊氏

留学生教育学会 理事
信州大学グローバル化推進センター 仙石祐氏

 最後に、本会の統一テーマである「人口減少社会と外国人人材・高等教育の役割」と題してシンポジウムが行われた。
 パネラーに吉岡知哉氏(独立行政法人日本学生支援機構理事長)佐々木聖子氏(公益財団法人入管協会業務執行理事、入管庁前長官)毛受敏治氏(公益財団法人日本国際交流センター執行理事)小林光俊(外留協代表理事)の4人を迎え、司会進行役を仙石祐氏(留学生教育学会理事、信州大学グローバル化推進センター)が務めた。
 進行に当り、仙石氏は論点を「中央・地方の人材環境、外国人人材の受入れ環境への期待」「高度中核人材の育成と高等教育への期待」の2つに整理し、各パネラーに話題提供を求める形で議論を進めた。
 前者の論点(中央・地方の人材環境、外国人人材の受入れ環境への期待)について、小林氏が「専門学校は地方の中小企業に送り出す人材養成に定評がある。そのため、専門学校がアジアの職業教育のハブ機能を果すことが重要」と語ったことを受け、佐々木氏が在留資格「技術・人文知識・国際業務」における専門学校生の審査基準の緩和に言及し、「外国人留学生が日本に定着する道筋の第一歩が学校教育であり、「技人国」を広げるためには送り出す教育機関と受け入れる地域がより魅力的にならねばならない」と述べ、仙石氏が「地域と教育機関のシームレスな繋がりが求められる」と纏めた。
 後者の論点(高度中核人材の育成と高等教育への期待)について、毛受氏が「N1レベルの日本語能力を求め、面接でも全員リクルートスーツ等、日本の企業は「日本人と変らない外国人」を求めている」と問題提起し、吉岡氏も「国際化は日本の重要な課題。現状のままでは先細りになる」と外国人留学生の動向に関するデータを根拠にして警鐘を鳴らした。
その他、「日本留学を欧米留学等の最終目標を実現するための単なるステップにする留学生が増えた」「共生社会の取組として母語話者を基本にせず、多様な日本語使用を尊重する機運が生れている」「中国の若者等は日本の介護を学びたいと、大卒者・院卒者も留学してくる。40万人計画などと言わず、100万人程度まで増やさねば追い付かない」等、様々な話題や意見が交された。
これを受けて仙石氏は、「今回の議論を総括するキーワードは多様性。多様な学生を受け入れ、認め、育成し、社会に送り出してゆくべく、質的にも量的にも充分な施策とその実践が必要」と結んだ。

閉会挨拶


外留協副代表理事、東専各協会副会長
岡本比呂志氏

 本会の締め括りとして、岡本比呂志氏(外留協副代表理事、東専各協会副会長)が閉会挨拶を述べた。
 岡本氏はそこで、基調講演とシンポジウムについて「多岐に亘る論点と豊富な情報をご提供いただき、大変に勉強になった」と評価するのと共に、「本日の内容を参加者の皆さん各々の立場で咀嚼して持ち帰り、今後もずっと続くことになろう留学生対応の参考にしてほしい」と喚び掛けた。
 その上で、岡本氏は個人的見解として「人口減少に際し、何も手を打たねば日本は消滅してしまう。出生率を上げることは大事であるが、女性の数も半減しているため、限界がある。本日の基調講演でも指摘された移民の問題等、国家戦略として外国人受入れ政策を異次元のレベルで考える必要がある」と語った。